皆様、こんにちは。
埼玉県さいたま市を拠点として関東全域で、一般住宅からビル、店舗などの内装左官・外装左官を手掛けている美匠です。
以前の記事(https://www.bisyou.jp/blog/category6/118245)で、伝統的な聚楽壁についてご紹介しましたが、土壁には他にもいくつかの種類があります。デザインや機能も多彩で、和の雰囲気を演出しつつお部屋の機能を高められるのが魅力です。もちろん、その性能を最大限に引き出すには、いろいろな点に注意しなければなりません。今回は主な土壁の種類や、土壁の施工を依頼する際の注意点をご紹介します。
■デザインも機能もさまざま。日本の伝統的な土壁の種類
日本では、聚楽壁以外にも多くの伝統的な土壁が存在しています。主な土壁の種類を見ていきましょう。
・大津壁
土に石灰やスサ(つなぎ)を混ぜて塗りつける土壁です。もともとは、滋賀県大津で採れる「江州白土」という土を使っていたことから、この名で呼ばれるようになりました。鏝で何度も押さえ、緻密な壁肌に仕上げるのが特徴です。
また、大津壁は使用する材料によって泥大津、並大津、大津磨きの3種類に分けられます。泥大津は川や田んぼの土の上澄みを使用し、比較的リーズナブルに施工できるのが特徴。並大津は色土を用い、鮮やかで光沢を抑えた上品な仕上がりが魅力です。そして大津磨きは、専用の鏝を使って何度も押さえることで、非常に滑らかで艷やかな壁に仕上げます。限られた左官職人のみが作り出せる、大津壁の最高峰です。
・錆壁
鉄粉や古釘の煮出し汁などを配合した土壁です。塗ってしばらくすると、鉄分が錆びて褐色の斑点が浮かび上がり、独特の雰囲気を演出。時間の流れとともに味わい深くなる壁を楽しむことができます。
・珪藻土壁
珪藻土を使用した土壁です。珪藻土とは、海や湖に生息する珪藻(植物プランクトンの一種)の死骸が、長い時間をかけて堆積してできた土をいいます。小さな穴がたくさん空いているため(多孔質)、調湿・保温・断熱効果に優れているのが魅力です。その機能性の高さにより、近年は特に人気が高まっています。
・漆喰壁
砂や糊、消石灰などを混ぜて塗りつける土壁です。表面が滑らかで、耐久性や防火性に優れており、アルカリ性のためカビが発生しにくいというメリットもあります。
・プラスター
いわゆる西洋漆喰です。石灰を主原料としていることによる、白くなめらかな表面が特徴。かつては石灰と砂を混ぜて作っていましたが、現代では化成のりや繊維質を使用した製品も登場しています。
■土壁の施工を依頼する時の注意点
土壁の施工を依頼する時は、1つ注意していただきたい点があります。それは、土壁の施工実績が豊富で、土の性質や塗り方にも詳しい会社に依頼すべきだということです。
前述したように土壁の素材成分はさまざまで、混ぜ具合や塗り重ね方によっても色や質感が変化します。これは自然素材ならではの魅力ですが、それゆえに扱いが難しいという一面があるのも確かです。まったく同じ材料を使っても、職人の腕次第で仕上がりのクオリティが大きく変わってきます。
熟練の職人であれば、明るい色と落ち着いた色、ツルッとした質感とザラザラした質感を、同じ土で塗り分けることもできます。そこへコテ捌きによる自由自在なデザインが加わることで、同じものが2つとない味わい深い土壁ができあがるのです。サンプルを見た時に「これらはどれも同じ材料なんですよ」と聞いて、驚かれるお客様も少なくありません。
また、現代の土壁は石膏ボードを下地とし、その上に塗る工法が一般的になっています。土をきれいに塗っていくためには、しっかりと下地処理を行い、不陸(凹凸)をなくすことが重要です。ジョイント部分には受け材を入れ、出ズミ・入りズミを補強するなどの対応が求められます。
熟練の職人ほど、こういった土の特性や下地処理の重要性をよく理解しています。入念に素材選びと下地処理を行い、その上から下塗り・中塗り・上塗りと何度も重ね塗りをしていくことで、美しく耐久力も高い土壁が完成するのです。本格的な土壁を施工したい時は、まず実績豊富な会社を探すところから始めてみましょう。
美匠は、自然素材を使った「人にも環境にもやさしい左官工事」を行っている会社です。お問い合わせに対しご自宅を訪問して説明するなど、お客様に寄り添った提案を大切にしています。ヒアリングから施工までベテランの職人が担当することで希望通りの仕上がりになり、直接ご依頼をいただければ中間手数料がかからずコストカットも可能です。
取り扱い材料も豊富なため、さまざまな左官材料に対応できます。デザイン見本をその場で再現することで、現物を直接確認しながら決定していただけるのが大きな強みです。土壁に興味がある、左官工事が得意な業者を探しているという方は、ぜひさいたま市の美匠までご相談ください。
<美匠の施工事例>