皆様、こんにちは。
埼玉県さいたま市を拠点として関東全域で、一般住宅から店舗まで、幅広く内装左官・外装左官を手掛けている美匠です。
ここ最近のブログでは、最新の左官塗料「モールテックス」について何度かご紹介してきました。過去の記事を読んでモールテックスに興味を持たれた方、一体どうやって施工するのか気になりませんか? 施工の手順を知るには、実際の作業の様子を見るのが1番です。そこで、今回から2回にわたり、モールテックスの施工方法を施工中の動画とあわせてご紹介します。
■モールテックスは講習をしっかり受けないと施工できない
以前の記事でも触れた通り、モールテックスを施工できる職人や工務店は限られています。多くの特徴を持つ新しい素材であることに加え、施工工程が複雑なために、知識と技術をしっかり身につけなければ施工できないからです。メーカーも講習会を主催し、原則として受講した上での施工を推奨しています。
そのため、「左官材料ならどれでも同じだろう」と考えて講習なしで施工すると、大きな失敗につながりかねません。従来の素材に比べて性能が高い分費用も高く、やり直しになった時の被害も大きくなります。実際の動画を見ていただき、施工難易度の高さと講習の大切さをご理解いただければ幸いです。
■まずは下地から! プライマーの塗布
左官工事において、最も重要なのは下地の処理です。下地材をしっかり塗らないと上塗りが美しく仕上がらないため、丁寧な施工が欠かせません。
モールテックスの場合は、まず下地に応じたプライマーを塗布します。木材・モルタル・コンクリートといった吸水性の下地ならレジデュール、タイル・塗装面・金属面といった非吸水の下地にはレジパクトG、屋外ではレジポックスWを使用するのが基本です。
いずれも原液のまま、ローラーなどを使って塗り残しがないよう丁寧に塗り、最低8時間以上は養生して完全に乾燥させましょう。下地の吸水性が激しい場合は、20%~30%程度の水で薄めたレジデュールを塗り、乾燥後に原液のレジデュールを重ね塗りしてください。
■しっかりと正確に! 材料の計量
プライマーが乾燥したら、材料を混ぜてモールテックスを作ります。性能を最大限に発揮させるためには、材料を正しく計量して混ぜることが大切です。1㎡を塗るのに、主材であるカラー2Nが2kg、混和液のビールクリル2が400ml必要になります。計量器を使ってしっかりと量りましょう。
なお、ビールクリル2は比重が大きいため、100ml=100gではない点に注意が必要です。400mlでは412gになるので、間違えないようにしましょう。また、着色するならビールクリル2にあらかじめ顔料を混ぜておく必要があります。この際、顔料がビールクリル2を吸ってしまうため、顔料の重量に対し半分程度のビールクリル2を足してください。
■ダマがなくなるまで素早く練る! 材料の攪拌
材料を正確に計量したら、それらを混ぜていきます。まずは混和液ビールクリル2に顔料を入れ、ダマがなくなるまで撹拌しましょう。そこに主材カラー2Nを約3分の1入れ、練りだまりがなくなるまでさらに撹拌します。最後に残りのカラー2Nを入れ、全体が均一になるまで練り混ぜて完成です。
なお、この時点ですでに硬化が始まっています。気温20℃・湿度60%の条件下で、使用可能な時間は20分~30分程度です。そのため、モールテックスは必ず使用直前に作り、練り混ぜたら速やかに塗ってください。
ここまででモールテックス施工の準備は完了です。次回のブログでは、モールテックスを塗る際の手順をご紹介します。
美匠は、自然素材を使った「人にも環境にもやさしい左官工事」を行っている会社です。お問い合わせに対しご自宅を訪問して説明するなど、お客様に寄り添った提案を大切にしています。ヒアリングから施工まで職人が担当することで希望通りの仕上がりになり、直接ご依頼をいただければ中間手数料がかからずコストカットも可能です。
取り扱い材料も豊富なため、モールテックスをはじめ、さまざまな左官材料に対応できます。漆喰の壁に興味がある、左官工事が得意な業者を探しているという方は、ぜひさいたま市の美匠までご相談ください。
<美匠の施工事例>
https://www.bisyou.jp/showcase