皆様、こんにちは。
埼玉県さいたま市を拠点として関東全域で、一般住宅からビル、店舗などの内装左官・外装左官を手掛けている美匠です。
漆喰と聞くと日本の伝統的な壁材というイメージを持たれるかもしれませんが、実は世界中で古来より使用されてきた壁材なのです。その歴史には諸説ありますが、エジプトのピラミッドやメソポタミア文明でも漆喰が使われ、その後日本に伝わってきたと言われています。
海外でも漆喰は使われ続けていますが、日本の漆喰とはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、日本と海外の漆喰の違いについてご紹介します。
■日本の漆喰
漆喰とは、消石灰を主原料にした塗り壁材です。日本では、古くからお城や土蔵、神社・仏閣などで使用されてきました。木造建築の多い日本では、燃えにくい漆喰を塗ることが防火対策にもなっていたのです。
海外から日本に伝わった漆喰は、その歴史の中で日本独自の進化を遂げてきました。塗り壁材としてただ塗るだけでなく、平らにムラなく仕上げること、紙のように薄く塗ることなど、職人の技術が求められるようになりました。美しさを保つために、海藻やわら、麻すさを混ぜるなど材料にも工夫がされてきました。日本の漆喰は、職人たちが技巧をこらす芸術としても発展していったのです。今でも倉敷の美観地区や金沢城の漆喰壁など、白く美しい景観が観光名所にもなっています。
■海外の漆喰
日本の漆喰を「和漆喰」と呼ぶのに対して、西洋の漆喰は「西洋漆喰」と呼ばれています。海外では気候風土も違うため、漆喰に配合されている成分も日本とは異なります。例えばスペイン漆喰では、スペイン産の石灰を焼いた消石灰に大理石や色粉、セルロースファイバーなどを混ぜ合わせています。その他にも砂、凝集剤、保湿剤、防水材などを混ぜ合わせ、壁に厚みが出るようにしています。
海外では、日本以上に漆喰が内装・外装に使用されています。プロヴァンスやエーゲ海、地中海地方の街並は多くの人の憧れですが、これらヨーロッパの住居でも漆喰が使われているのです。
■海外と日本の漆喰はどこが違う?
海外と日本の漆喰では、混ぜ合わせる素材や塗り方に違いがあります。これは家の構造が違うことが大きな理由と言われています。
木造建築の多い日本と比べて、ヨーロッパなどでは住宅の壁も石やレンガが使われています。石やレンガが崩れないように分厚く塗り壁の強度を増す必要があるため、壁に厚みが出せるような素材を混ぜ合わせ、デザインよりも強度を重視した壁になっているのです。
一方、日本の家屋は柱と梁で壁の強度を高めているので、漆喰を厚く塗り重ねる必要はありません。海藻やわらなどを混ぜて薄く塗り、デザイン性を考えた仕上げをしているのです。
■機能性・デザイン性に優れた日本の塗り壁
漆喰は消石灰に他の素材を混ぜることでさまざまな特徴を出すことができます。自然素材の人気の高まりもあり、最近ではホームセンターでも漆喰が売られているのを見かけるようになりました。しかし、漆喰は消石灰が3割以上入っていれば、混ぜ合わせた素材がどのようなものでも「漆喰」と表記できてしまい、中には化学製品で作られたものもあるので注意が必要です。
自然素材の漆喰には、調湿や消臭効果などの機能性があります。施工日にちょうどいい固さになるように、職人が施工の1週間前ぐらいに混ぜ合わせ、時間をかけて整えていきます。日本の漆喰は、塗る職人によって表情が違うデザイン性の高い塗り壁です。日本独自の文化である漆喰の塗り壁は機能性、デザインの両方に優れているのです。
埼玉県さいたま市を拠点に左官工事を行う美匠では、一般住宅から飲食店などの商業施設まで対応可能です。小さなご相談でも構いませんので、左官工事のことならぜひ美匠までお問い合わせください。
<美匠の施工事例>
https://www.bisyou.jp/showcase