漆喰と珪藻土の違いってなに? 左官のプロがメリット・デメリットも解説!

皆様、こんにちは。

埼玉県さいたま市を拠点として関東全域で、一般住宅からビル、店舗などの内装左官・外装左官を手掛けている美匠です。


自然素材の左官材といえば、漆喰と珪藻土。

ただ最近では、代表的な自然素材としてひと括りにされ、実はその違いについては、よく知らない……という方が多くいらっしゃいます。

今回は漆喰と珪藻土の違いについてご紹介します。




■漆喰と珪藻土とは何が違う? それぞれのメリット・デメリットは?


・漆喰は貝の化石。強アルカリ性で抗菌効果も!



漆喰は、日本で伝統的に使われてきた左官材。城壁や蔵の壁が白いのは、木でできた建造物を火から守るため、漆喰で塗りこめているからなのです。


さてその漆喰、主成分は消石灰(水酸化カルシウム)になります。

石灰質の貝殻が海底に蓄積され、化石化した石灰石を焼いてつくったのが消石灰です。これにスサ(麻の繊維や紙などを細かく切ったもの)を加えて収縮防止や補強効果を出し、海藻を煮出した糊で保水効果や粘性を与えるのが、伝統的な漆喰のつくり方です。


漆喰の特徴は、何と言っても強アルカリ性。抗菌効果があるので、最近のコロナ禍であらためて注目を浴びましたね。もちろん消臭効果も期待でき、調湿性能も高いので、結露から生じるカビ・ダニの発生を抑制できる効果もあります。ひどくない汚れなら消しゴムで消してしまえば大丈夫。


デメリットとしては、経年や季節の変化で、細かいヒビが入る可能性が挙げられます。ただしDIYでかんたんに修復できるので、ご安心を。



・珪藻土は藻の化石。吸音・自浄効果も期待できる



漆喰が貝の化石なら、珪藻土は藻の化石からできたもの。

珪藻という藻の殻が化石化した堆積岩で、二酸化ケイ素が主成分になります。

珪藻土の粒子は細かい穴がたくさん空いているので調湿性がとても高く、結露やカビの発生に効果があります。また消臭効果や吸音効果もあり、耐火面でもメリットが。

自浄効果も期待できるので、ワインが壁に飛んだような軽い汚れなら、放っておいてもきれいになるケースもあります。


デメリットとしては、粉がポロポロと落ちる場合があるということ。ただこのような点を解消した珪藻土も登場していますので、心配ならプロの左官に尋ねてみましょう。




■漆喰と珪藻土の仕上がりの違いは?



漆喰の色は乳白色で、珪藻土は白や淡黄色、灰緑色など産地によってさまざまです。

ただしこうした元の色の加えて、色土という、鉱物を砕いた、赤や黄、青、黒などの土を混ぜることで、オリジナルの色にすることも可能です。


歴史的な建造物でも、金沢のコバルトブルーの漆喰壁や、深みのある赤や黄に特徴がある滋賀の大津壁など、色彩豊かな漆喰壁がその地方を代表する壁として尊ばれています。

もちろん漆喰も珪藻土も淡いパステルカラーにすることもできますし、ベージュ、ピンクや水色、淡い黄緑色などに調合済みのタイプもあります。


仕上がりについては、漆喰はつややかで、珪藻土は土のテクスチュアが残ったあたたかみのある印象です。光が当たった時に、その違いがよく分かります。


伝統的に漆喰は、鏝(コテ)むらなどをつけず、磨いたようにフラットにするのが基本ですが、最近では価値観も変わり、お好み次第でコテむらをつけることも増えています。




■漆喰や珪藻土を自宅に塗るなら、どんな場所がおすすめ?



漆喰も珪藻土も調湿性があり、夏は空気がサラリと、冬は乾燥しにくいので、長く過ごすリビングやダイングにおすすめ。

空気がきれいになるので、1日のうち3分の1程度を過ごす寝室にも向いています。

室内干しをした洗濯物もよく乾くので、ユーティリティにもうってつけ。

子供部屋や書斎、玄関まわりに使っても気持ちのよい空間になりますよ。


ただし浴室など、直接水がかかる場所には不向きなので、そのような場所に左官を使いたいのなら、以前にもご紹介したモールテックス(https://www.bisyou.jp/blog/mortex/153565)がおすすめです。




■家の壁を漆喰や珪藻土で塗るのなら、左官のプロ・美匠にお任せください!


漆喰風、あるいは珪藻土風の壁クロスもありますが、調湿性などの諸機能や光があたった時の美しさは、本物に及ぶべくもありません。

漆喰や珪藻土はDIYでも塗れますが、下地を整える作業も発生し、一般の方には難しいのでプロの左官業者に依頼するのが確実です。

もちろん一部を親子で塗ったり、家族の手形を残すなど、思い出を宿すことができるのが左官の素晴らしいところ。ご要望があれば、ぜひお聞かせください。


漆喰や珪藻土は、色選びだけでなく、塗り方や道具の使い方で、表情が変わってくるので、きちんと相談にのってくれる業者を選びましょう。美匠ではお問い合わせに対して訪問して説明する対応など、お客様に寄り添った提案を行うことを、モットーとして掲げています。


ヒアリングから施工まで職人が担当することで希望通りの仕上がりになり、直接依頼を頂ければ中間手数料がかからずコストカットも可能です。

漆喰や珪藻土を使いたいという方は、さいたま市の美匠まで、どうぞお気軽にご相談くださいね。